相談内容
埼玉県のH社長から、切迫した電話があった。
H社長は、結婚式場と仏壇店を経営していた。
業績はそれほど悪くはないが「闇金からお金を借りてしまい、追い立てられて困っている。助けてくれ!」との依頼だった。
診断結果
営業内容を調べると、堅実に経営していれば困るような状況ではない。
しかし、安易に闇金に手を出してしまい、金利を払うために働いている状態になっている。この場合、警察と相談し守ってもらいながら、解決しなければならない案件だった。
闇金は主に2ヵ所あった。
- 1件目:Fさん(女性)からの2,000万円の借入金。
- 2件目:Lさんを始め、複数の関連した借入金、つまりシステム金融。
この2件が決着しない限り、再建の可能性は無かった。
解決方法
先ず、Fさんからの2,000万円の借入金
H社長は「Fさんは顔見知りで親切な女性である」と言う。
しかし、一人の主婦が扱う金額にしては大き過ぎる。しかも高金利だ。
「これはおかしい、必ずバックがいる筈」と直感、H社長に言っても、「そんなことはない。Fさんは親切な方だ!」と言い張るのである。
そこで、私が直接Fさんに電話。面談を求めると、その日と場所を言ってきた。
右翼(暴力団組織)との交渉
指定された日時に行くと、やはりFさんではなく、それと分かる人物が来ていた。名刺を見ると右翼と言われる暴力団であった。
知ったかぶった金融知識を振り回し、
返済を要求してきた。
しかし、こういう人達は、決して高圧的な態度は取らないものである。自分の置かれた立場が分かっているからである。
当たり前の話をして、退去。
すぐ警察に届けた上で、法定金利に計算して話し合いで解決した。
売れ残った仏壇でシステム金融を解決
もう一つはシステム金融である。
少額の金額を貸し付け、次から次へと仲間が貸付、10日で1割(トイチと言う)もの金利を取るものだ。
特徴は 闇金融業者たちを裏で操り、システム化している人物がいることだ。
これらに対しては、売れ残った仏壇があったので、代金の代わりに持っていってもらった。
それぞれ、軽トラなどで取りに来てくれた。
こうして、なんとか闇金業者との対応は終わり、後はメチャクチャになっている経理を整理、堅実な経営に戻るよう導いていった。
結果
営業内容は、結婚式場を中心に派生する貸衣装や撮影などの業務を幅広く展開していたが、利益の薄い業務を整理しながら、徐々に本業の経営に戻すことが出来た。
財務に強い社員が居れば起こらない誤ちであった。