特性重ね 見極めるもの
本日の道歌は、経営者に求められる「見る力」を、非常に分かりやすく、しかも多層的に示しています。
経営の現場では、目の前の数字だけを見ていても足りません。反対に、未来ばかりを語っていても現実を見失います。さらに、自社のことだけを考えていては、時代の流れに取り残されることもあります。
だからこそ必要なのが、複数の視点を重ねて物事を見極める力です。その統合された力こそが、ここでいう「眼力」なのではないでしょうか。
本文では、経営者に必要な三つの目として、「虫の目」「鳥の目」「魚の目」が示されています。虫の目は、過去の業績や現場の細かな実態を客観的に分析する力。鳥の目は、自社だけでなく業界全体を広く見渡す俯瞰の力。魚の目は、世の中の流れや環境の変化を読み取る力です。
この三つは、どれか一つだけあれば足りるものではありません。細部だけを見れば全体像を失い、全体だけを見れば現場の痛みを見落とし、流れだけを見れば自社の立ち位置がぼやけてしまいます。だからこそ、それぞれの特性を重ねることが大切なのです。
特に今のように、戦争や資源不安、世界的な変動が続く不確実な時代においては、これらの視点は単なる知識ではなく、経営者にとって生きた「目」となります。
細部を見ているつもりで全体を見失っていたり、流れを追うあまり本質を置き去りにしていたりはしないでしょうか。
本文で特に大切なのは、虫・鳥・魚の目はあくまで「形の世界」を見るための目である、と明言されている点です。世の中は形と心の両面で成り立っている以上、見える世界だけを分析しても、それだけでは判断は十分ではありません。
そこで必要になるのが、「真理眼」や「審美眼」といった視点です。真理眼は、表面を越えて本質を見抜く力。審美眼は、単なる損得を越えて、本当に価値あるものを感じ取る力です。数字や環境の変化を読むだけではなく、その奥にある心や意味を見抜くことが、これからの経営者には求められているのです。
物事を一面だけで決めつけず、複数の目を重ね、さらに見えない世界にまで視野を広げていくこと。その積み重ねが、迷いの少ない判断と、確かな経営の安定につながっていくのではないでしょうか。


















