
会社経営においては、どうしても人を恨みたくなる局面が訪れることがあります。
それは決して特別なことではなく、多くの経営者が一度は経験する感情でしょう。
私自身も、29年間続いた会社を騙される形で失い、倒産という結果を迎えました。
当初は、相手を深く恨みました。
しかし、時間をかけて振り返り、よくよく考えていくうちに、それはあくまで「引き金」に過ぎず、根本的な原因は、経営者である自分自身にあったのだと悟るに至りました。
不思議なことに、そのように受け止められた瞬間から、まるで暗雲が晴れるかのように、物事が次第に順調に進み始めました。
結果として、あれほど重くのしかかっていた巨額の借入金も、いつの間にか解消されていったのです。
この経験を通して強く感じたのは、恨みの感情は、自分自身にとっても、会社にとっても、決してプラスにはならないということでした。
恨みは問題の本質から目を逸らさせ、解決を遅らせ、
さらには成長の機会さえも奪ってしまいます。
漢字に込められた意味
「恨む」という文字に使われている 「艮」は、 易経の八卦の一つで、 「山」 を意味します。
山は動かず、留まり続ける存在。
つまり恨みとは、 心の成長を止めてしまう状態 を示しているのです。
だからこそ、恨みは抱え込まず、流してしまうに限るのです。
もちろん、流すことは簡単ではありません。
それを可能にするものこそが、人生を達観しようとする 「経営者の品性」 なのだと、私は思います。


















