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会社設立(企業)

会社設立(起業)

セーフティースタートで起業、黒字決算計上により完了する

1.セーフティースタート(確実な起業)

会社を設立、あるいは、経営を継承する時は、大きな夢を持って歩み始めると思います。

しかし、現実はほとんどが赤字決算となり、5年間で大半の会社が消えてしまいます。

何故でしょうか?

営業や技術についてはプロであっても、「経営という仕事はアマチュア」であったということに他なりません。
経営というものを仕事として捉えなければ厳しい経営環境を乗り切ってゆくことは困難です。

会社の設立については、どんな方であっても簡単に出来ます。資本金や、役員の制限などもなく、設立登記も簡単です。

しかし、会社というものは継続しなければならないものです。毎年必ず義務付けられる決算を黒字計上して初めて存続が認められることになります。

起業しようとする方やなかなか黒字経営が困難な方など、本書にて経営の極意を身に付け、プロ経営者に成長していただきたいと思います。

次のような方にお読みいただきたいと思います。

  • これから起業を目指している方
  • 経営者に就任しようとする方
  • 役員や経営に参画しようとする方
  • 起業はしたものの、なかなか黒字に出来ない経営者

 本章は、セーフティスタート(確実な起業の方法)を説明します。

会社設立に向けてのチェックポイント

会社の起業については、大きな夢を持っていられることと思います。5W2Hにて、チェックしてみましょう。

NO チェック 内容 チェック
1 When
いつ
・設立の日程に無理はないか?
・準備は万全か?
 
2 Where
どこで
・設立の場所に問題はないか?
・事業を効率良く行える場所か?
 
3 Who
だれが
・経営者としての自覚はあるか?
・事業に対する自信はあるか?
 
4 What
なにを
・事業内容に自信はあるか?
・仕入ルートや関係者の協力は得られるか?
 
5 Why
なぜ
・なぜ事業を行うのか?目的と動機、自分のためか?
・社会のためか?
 
6 How
どのように
・会社のやり方は?
・どのように取り組むのか?
 
7 How much
いくらで
・設立にかかる費用や運転資金は?
・収支計画、資金繰計画は?
 

この7項目について自信を持ってスタート出来るでしょうか?
この中の設立動機(Whyなぜ)と経営のやり方(Howどのように)を取り上げます。

2.設立の目的や動機

設立の目的や動機

会社を設立する目的や動機はとても重要です。

なぜ、会社を経営するのですか?と問われた時に何と答えるでしょうか?

  • 一国一城の主になってみたい
  • 自分の能力を試してみたい
  • お金儲けをしたい
  • 家族を幸福にしたい

このように、様々な答えが返って来ますが、動機は2つに分かれると思います。

自分の欲のためなのか?社会に貢献しようとする奉仕の心からか?を自分自身に問いかける必要があります。永続的に社会の一員として経営してゆくには、自分のためだけでなく、「自分の能力で世間に貢献したい」という奉仕の心が必要です。

  • 自分の培った能力を社会に役立てたい
  • 地域の皆さんと共に地域社会に貢献したい
  • 会社の仲間と共に有意義な人生を送りたい
  • 人のために尽くすことによって幸福な人生を歩みたい

このような目的や動機であるならば、社会に受け入れられてゆくものと思います。

◎Column 経営免許証の取得

会社は、法人(株式会社)として法律上の人格を与えられ、権利を認められると同時に様々な責任が課せられます。その責任は厳しく重大なものにも関わらず、設立方法は非常に簡単です。定款を作成、所定の手続きに従い法務局への設立登記と税務署に開業届けを出すことで開業することができます。

このように、株式会社を設立、開業することは誰でもできることであり、資格取得などの制限もありません。資本金の制限もなく、極めてハードルの低いものです。

その結果、赤字決算により、多くの会社が消えて無くなっています。

本来、会社の設立に当たっては社会の責任ある一員として厳しい試験により、経営の許可を与えなくてはならないものと思います。運転免許が無ければ、自動車を運転出来ないのと同じように、これから起業を志す人達は、自発的に経営免許証を取得する心構えが必要です。

3.会社経営のイメージ

会社経営のイメージ

経営の樹を育てる

経営というものを一言で表現することは難しいものです。

様々な答えがあるかと思いますが、私は「会社経営は苗木を大樹に育てること」と定義しています。

花は目立たなくとも、真っすぐに伸びる針葉樹のイメージです。

「風雪に耐え、地中にしっかりと根を張り、幹に栄養を送り、幹は枝分かれし、それぞれ葉を繁らせる」そのような大樹です。

それでは、経営の樹のそれぞれを経営の部門に割り当ててみましょう。

「栄養豊富な土壌深く張った根っこから一本の幹が現われ、3本の枝に分かれ、それぞれ葉を付け繫らせてゆく」ようなイメージを描きながら考えて下さい。

経営の樹

それぞれのパーツを当てはめてみましょう。

根は経営理念の確立=会社設立の目的

経営の樹の全体を支える根の役割はとても重要です。根本的な考え方として、どんなことがあっても絶対に揺らぐことのない信念、哲学が全体を支えます。

社長の考えと社員一人一人が「一心同体」となった組織は、どんな嵐が来ようともびくともしない強さがあります。その基となるものが、経営理念です。

幹は経営方針の決定=経営のやり方

方針は経営理念を具体化するための考え方と方向性です。

経営理念は、土の中にあり見えませんが、経営方針は、見える形としての具体的な会社の将来を指し示すものとしてオンリー1を確立します。

経営者の仕事への情熱が迸るようなオンリー1方針を作りましょう。

3本の枝はヒト、モノ、カネの調和

経営方針を実行、結果を出すためのやり方として、ヒト(組織)、モノ(営業)、カネ(財務)の3本の枝に分け、調和を取りながら育ててゆきます。

起業する方のほとんどは、一人で出発しています。

まずは、社長本人の能力で地盤を築き、大きくなるに従い、社員を増やしていくことになるものと思います。

従って、設立当初は3本の枝と言ってもピンと来ないものと思いますが、いずれ業務の拡大と共に、組織を作り、財務も充実していかなければなりません。

創業時には、3本の枝に分かれていなくても、将来このように成長することをイメージしながら経営をしてゆくことが大切です。

小枝と葉=業務マニュアル

計画を具体的に実行する方法として小枝が分かれ、さらに社員一人一人の持ち味を生かすため、葉となるマニュアルを作成することにより、社員の力を充分に引き出します。

マニュアルは、営業、作業、接待、サービスなど多岐に渡ります。まずは、社長自身のオンリー1とするやり方を社員に伝えるために作成することから始めましょう。

花を咲かすものは情報=関係者の善意

経営の樹全体に光と風により育つ環境を作り、花を咲かすものが、お客様や協力業者などの、周囲の情報(情けに報いる心)です。お客様からお客様へと善意の輪により広がります。つまり、売上げが増え、会社が大きくなっていくことです。

売上げを伸ばすには、どうしたら!と考えがちですが、「売上げは上げるものではなく、上がるもの」です。

土壌=経営者の品性

根の経営理念を根付かせ、栄養を送るものが、土壌となる経営者の品性であり、最も重要です。「会社は経営者次第なり」と言われる所以です。

品性とは、人柄と言われるものですが、一般に言われる人柄と経営者の品性は違います。

一般的には、単純に良い人、立派な人ですが、経営者の品性は、「人間性と経済性を両立できる能力」とも言えるもので、大変難しいものです。

「人柄が良く、会社も利益を上げている」その両立を求められます。

品性向上は、経営者に課せられた一生の努力目標として、精進してゆきましょう。会社経営は、「経営の樹を育てること」とおぼろげながらも理解されたことと思います。

定款の作成

定款とは、法人の目的、組織、活動、構成員、業務執行などについての基本規約や規則などを定めた「会社の憲法」と言われる書類です。

表紙「〇〇株式会社定款」として作成日を記入します。

  • 第1章 総則
    第1条 商号/第2条 目的/第3条 本店所在地/第4条 公告の方法
  • 第2章 株式
    第5条 発行可能株式総数/第6条 株券の不発行/第7条 株式の譲渡制限/第8条 株主名簿記載事項の記載又は記録の請求について/第9条 質権の登録及び信託財産の表示/第10条 手数料/第11条 基準日/第12条 株主の住所等の届け出
  • 第3章 株主総会
    第13条 招集/第14条 議長/第15条 決議/第16条 議決権の代理行使
  • 第4章 取締役
    第17条 取締役の員数/第18条 取締役の選任/第19条 取締役の任期/第20条 代表取締役及び社長/第21条 報酬及び退職慰労金
  • 第5章 計算
    第22条 事業年度/第23条 剰余金の配当/第24条 配当金の除斥期間
  • 第6章 附則
    第25条 設立に除して出資される財産の最低額/第26条 最初の事業年度/第27条 発起人/第28条 法令の準拠

ひな形を見ながら作成しましょう。

4.初年度黒字決算により、設立完了

初年度黒字決算により、設立完了

会社を設立してから、一年が過ぎ最初の決算を迎えます。

この決算を黒字計上することにより、社会の一員たる法人としての存在を認められることになります。

赤字会社の評価は著しく下がり、資金調達に大きな影響を与えます。例え一万円の黒字でもプラスとマイナスの差は、極めて大きく将来の経営を左右するほどです。

1期の赤字決算は許されても、2〜3期連続ともなると、特別な事情がない限り金融機関からは返済を迫られることになります。余裕をもった資金繰りをするには、黒字決算は絶対必要条件であることを肝に銘じましょう。

初年度黒字決算を達成して初めて会社設立が完了したことになります。

Point 設立一年目の決算は黒字が至上命題

「会社を作って3年間は赤字決算でも良い」という人がいます。特に専門家からも聞くことがありますが、とんでもないことです。絶対に間違っています。

「赤字決算は将来性がない会社」「3期連続赤字は経営破綻会社」これは常識です。新しく独立して3期連続赤字を続けたら、ほぼ間違いなく起業5年説の倒産グループに入る会社です。

新しく起業した初年度は信用力を証明するとても大事な一年間です。この一年間の決算内容により、将来への飛躍が保証されることを肝に銘じて下さい。

仮に赤字であっても経費を繰延資産として計上すれば、黒字決算になります。これは起業初年度に適用される制度です。税理士と相談して進めて下さい。(繰延資産とは、「その支出効果が1年以上に及ぶもの」を言い、創立費が繰延資金です。創立費は、法人を設立した時に掛かる費用ですが、その支出によって、会社はずっと存続するからです。)

経営2年目以降

黒字決算終了により、2年目からは借入れや公共機関からの協力もスムーズに得られ、いよいよ貴方本来の良さを発揮した経営をしてゆくことになります。ヒト、モノ、カネの3本の枝をバランス良く調和を取りながら、伸ばすことにより、自ずと発展してゆきます。

そして、土壌となる品性を磨き続けることにより、どんな嵐にも耐えられる立派な樹に育ってゆきます。

品性については、秋季編、品性10ヵ条を参照下さい。

次頁に、永続的な経営をするために、経営者に課せられた責任に触れておきます。

5.経営者に課せられる社会的責任

経営者に課せられる社会的責任

「経営」という仕事は、技術や営業や事務一般の仕事とは異なり、全く異質であり、かつて仕事とは考えられていませんでした。

つまり、会社を生き物のように成長発展させていく仕事であり、それは権力でも財力でも仕事のスペシャリストでもなく、いかなる力や支配の関係でもない独自の「仕事」として行う、意識革命を伴う仕事観です。まずは、このことを自覚する必要があります。

そして、会社は「法人としての社会的存在」を認められる代わりに、「社会性」、「公共性」、「公益性」の3つの社会的責任が課せられます。

(1)社会性~社会の一員として存続しなければならない責任~

「事業の第一の義務は存続することにあり」(ドラッカー)言われるように、簡単に潰してはならない責任です。その存続責任は、黒字決算を計上し、きちんと税金を納めることにより、社会の一員として認められることになります。

しかし現実は、多くの会社が消えてしまっています。

その原因は様々ですが、一言で言うとその経営者は「経営という仕事のプロフェッショナルでは無かった」に尽きると思います。ほとんどの経営者は、成功させることや発展させることを考えますが、その前にいかに存続させるかを考えなければなりません。

Point 人間の平均寿命に反比例する法人の寿命の短命化

会社は人間社会を支える基盤として、人間と同じように寿命も伸びていかなければならないはずですが、法人の寿命は人間の平均寿命に反比例するかのように、急速に短命化しております。

ではなぜ、それほどまでに法人の寿命は、短命に終わってしまうのでしょうか?
それは、経営者が会社の運営方法を知らないからと思われます。

自動車の運転は、運転免許証が必要です。それと同じように、経営をする以上、経営の免許証と言うべき「経営の原理原則」を学ぶことは、絶対的に必要です。

本書は経営の誕生からリセットまで、ポイントをわかりやすく説いています。常に手元に置き、必要に応じてページを聞き、学んで下さい。

(2)公共性~社会に害を及ぼしてはいけない責任~

環境問題やコンプライアンス問題など、大企業になればなるほど社会の目は厳しく注がれ、マスコミに叩かれたりします。中小企業であっても、同じように厳しく律していかなければならないことであり、その基本として、経営理念が叫ばれ、「地域と共に発展してゆく」ことを求められます。

特に消費者を大切にする考え方として、コンシューマリズム(消費者指向)が重視されています。

■コンシューマリズム(consumerizm)

消費者優先主義と言われ、消費者を購買者だけでなく、生活者と捉え展開させる消費者運動で、売り手側の責任が問われます。

スーパーの消費期限など、毎日の問題から、自動車などの部品トラブルなど、全て売り手の責任となります。50年程前、この考えが生まれてきた頃、石油ストーブを倒して火事になったら、「倒した方が悪いのか」「倒れたら火事になるストーブを作った方が悪いのか」との議論を交えたことを覚えています。

■コンプライアンス(compliance)

「法令遵守」と呼ばれ、「法令を守ること」と捉えがちですが、それは最低限のことに過ぎず、法律として明文化されていない社会的ルールや道徳を守っての経営活動を求められています。

コンプライアンス

法令は、会社経営に関係する商法、税法、労働法などを指し、それを取り巻くものが、会社内で決められた理念に基づく行動指針や就業規則などです。そして、最も外側を取り巻くものが、社会的倫理・道徳などの社会常識です。

これらのルールを遵守することこそが、「コンプライアンス重視の経営」と言われるものであり、公共責任に当たるものです。

これは上場企業に厳しく課せられていますが、中小企業であっても重視しなければならないものです。逆に小企業であればあるほど、コンプライアンス重視がお客様に寄り添った強みを生み出すことに繋がると思います。

(3)公益性~対境関係者と調和を取らなければならない責任~

会社は、多くの関係者の協力により成り立っており、この関係者との円滑な関係を築いていく責任です。社会性と公共性が広義の責任とすれば、公益性は狭義の社会責任として、とても重要なことです。

利害者集団の中に経営者も含まれる点が、新しい考え方と言えると思います。「経営者はプロとしてのリーダーシップを発揮する仕事により役員報酬を得るもの」という考え方です。昔ながらの会社の経営目的が、所有者や資本家の利潤追求であるという考え方は、今日では一部個人企業のような所有者経営においてのみ、言えるに過ぎないものになりつつあります。

経営によって得られた収益は、会社を取り巻く利害者集団に対し様々な形で公平に分配しなければならない責任です。

【対境関係者(利害者集団)への分配方法】

項目 相手 分配方法
売上 お客様 商品を納め、サービスを提供して代金を頂く
売上原価 仕入先
外注先
商品の仕入れやサービスに対して代金を支払う
人件費 経営者
給与
労務の提供に対し、労務費を支払う
販売管理費 各業者 会社経営の仕事に対し、役員報酬を支払う
支払金利 銀行 社員の働きに対し、給与を支払う
税金 国・県・市 商品やサービスに対し、代金を支払う
社会保険 年金機構 役員報酬と給与に対し、個人と折半して負担する
株主配当 株主 株主に対し、利益の中から配当金を支払う

公益性としての公平な分配責任を果たしていくことは、経営者としての最大かつ重大な責任です。分配方法については、全て経営者の考え方次第で決定出来るため、どうしても自社中心になってしまいます。

それでは、分配方法に関する意思決定に際しての判断基準をどこに置くか?

それは「知識を真理で活かそうとする調和の心」です。本書を読み進めるに従い理解されてゆくものと思います。

対境関係図の作成

具体的に自社を取り巻く関係者との関係を、次頁の対境関係図に書き込み、満足度の採点をしてみましょう。

対境関係図

自社分析として対境関係図を記入して、自社を採点してみましょう。

  1. 中央の円に貴方の会社名を記入してください。
  2. 会社を取り巻く関係者(利害者集団)を全て記入してください。
  3. それぞれの関係先の満足度を5段階で評価してください。
  4. 評価点を直線で結んでください。

※経営者をどこに入れるかが、ポイントになります。じっくり考えて記入して下さい。

結んだ線がより円に近い方が良い会社、つまり、優良且つ、健全な会社ということになります。決して大きい会社が良い会社ではないことがお分かりいただけると思います。

経営方針例(対境関係図をそのまま経営方針とした例)

経営方針とは“目指す方向”のことであり、経営の根本的な取り組み姿勢のことです。

■調和の心で共に歩もう

私たちの会社は多くの人達に支えられて成り立っています。その関係する皆様全員と調和を保って共に発展してまいります。

対境関係図の事例

  1. お客様:感動を与えるような思いやりの心で接しましょう
  2. 外注先:良き協力者として仲間として接しましょう
  3. 社 員:助け合い調和の心を持ちましょう
  4. 仕入先:良きパートナーとして協力して頂きましょう
  5. 経営者:リーダーシップを発揮して会社を良き方向へと導きます
  6. 国・県・町:税金や社会保険などキチンと納めます
  7. 株 主:利益の中から配当金として支払います
  8. 銀 行:借入により円滑に経営できることに感謝し利息を払います

この経営方針に各社なりの具体的な内容を盛り込むことにより、オリジナルな経営方針が出来上がるものと思います。

6.起業計画書の作成

起業計画書の作成

会社のイメージが頭の中に湧いてきたら、書面化しましょう。

「起業計画書」は会社の設計図であり、自社の将来の姿を示して関係者の皆様に協力を仰ぐために作成するものです。

起業計画書の骨組み

計画書の書き方は様々ありますが、基本的な骨組みは次の通りです。

1 表紙 起業計画全体を表題として表わす
〇〇〇起業計画書、〇〇〇設立趣意書、〇〇〇事業計画書など
2 はじめに 社長自身の紹介と今日に至る経緯や、事業に対する意気込みを表明、関係者の協力を訴える
3 自社紹介 経営者自身、会社の内容、設立目的など、資料と共に読む人の理解を得る
4 事業内容 事業の全体構想、将来の姿、それに行き着くまでの道筋など
5 ①経営理念
②経営方針
③3本の枝
事業に取り組む考え方・経営における最も重要な方針
・組織 社員や関係者の動き方
・営業 商品やサービスを世の中に出す仕組み
・財務 資金計画や収支計画
6 おわりに 全体のまとめ

これに、特に訴えたいことや資料などを加えて、誰にでもわかりやすく理解出来るような計画書を作りましょう。

なお、経営計画書については、創業後、最初の決算を黒字計上してから、正式に作成することが一般的と思います。

7.設立登記申請

設立登記申請

起業計画書を作成、これからの経営に対する自信が湧くようになれば、設立登記をしましょう。

会社形態の選択

会社は、3つの形があり、それぞれ特徴があります。

① 個人会社

個人商店、個人事務所として一人、または家族で経営する形です。経営者の能力を活かし、楽しみながら生活の一部としてやっていきたい人向きです。

会社の規模を大きくする必要がなく、小規模で経営していきたい人なら、この形を選択しても構いません。

② 合同会社と株式会社(法人化)

いずれも法人として出発する形です。両者の違いは、責任の取り方にあります。合同会社は、無限責任であり、株式会社は有限責任です。

事業を大きく発展させたいなら、株式会社を選びましょう。

法人設立登記方法

  1. 法務局へ登記
    定款や登記申請書などが必要です。
    法務局へ相談すれば、丁寧に教えてくれます。
  2. 税務署へ事業開始届け
  3. 社会保険加入届け
  4. 労働基準局へ届け
  5. 業種により、許認可申請

以上は、全て事務手続きです。相談窓口に行き、指導を受けて自分自身で行うか、信頼のおける行政書士に依頼します。

法人成りする場合の注意点

個人経営から、合同会社や株式会社などの法人に成り代わる時、開始決算を行います。これが、将来の発展を見据えてのものであるか、ありのままを作成したものであるかにより、将来に大きく影響を及ぼします。

これは、大変重要なことであり、税理士と良く相談しながら進めて下さい。

8. 経営者独自の仕事

経営者独自の仕事

経営者の仕事の重要度を3つに分けて考えてみましょう。

経営者は会社の総責任者である以上、会社のすべてを把握していなければなりません。しかし、社長一人で出来る仕事には限度があり、社員に任せなければ組織は成り立たなくなります。

社員に出来る仕事は極力、社員に任せることにより、経営者本来の「経営という仕事」に専念することができると同時に社員を育てていくことになります。

絶対やらなければならない仕事(経営)

経営の根幹を成す仕事と将来を左右するような決断は、社長がやらなければなりません。

社員の報告には目を通し、相談に耳を傾け、適切な判断と助言、そして励ますことは、社長が怠ってはならない大切な仕事です。日々の仕事の中で経営者がやらなければならない仕事を挙げてみましょう。

■3部門の調和による一体化推進

◎組織部門 ・V-O-Cサイクルの決定とP-D-Sサイクルのチェック
円滑な組織運営のリード、インフォーマル組織の育成

◎営業部門 ・営業システムの構築、売上利益率のチェック
異質化によるオンリー1商品、オンリー1サービスの研究

◎財務部門 ・収支計画と収支結果のチェックと黒字決算計上
資金繰管理、ダム経営への配慮

■できれば任せた方がよい仕事「管理」

本来、社長がやった方がいい仕事であっても、社員が出来そうであれば思い切って任せましょう。任せることは社員の自覚を促し、成長させることにも繋がります。

■やらなくてもすむ仕事「作業」

社員で済む仕事は手を出さず任せきり、報告を受けるようにすべきです。社員とコミュニケーションを取るための仕事以外は、やってはいけないものと思います。

この3分類は、社員の増加に従いハッキリと区分けされてゆくものであり、小さければ小さい程、経営者が全体をまかなうことになります。

創業時は、社員と共に汗を流しても大きくなるに従い社長の仕事は「経営という仕事」に特化されていくことになります。

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