再生コンサルティング

再建コンサルティング

倒産

倒産

倒産とは倒して産むことである

「倒産」という言葉の響きは良いものでしょうか?それとも暗いものでしょうか?

「倒産」を素直に読んでみると「倒して産む」と読めます。決して暗い響きは伝わってきません。

それでは、何を倒して何を産むのでしょうか?

1.経営者は”2つの人格”を持っている

私は、再建コンサルタントとして「どんなに苦しんでいても必ず再建する覚悟」を以て再建を引き受けています。

しかし、再建することにより寿命を縮めたり、却って大切な人生を棒に振ることになり兼ねない場合もあります。

なぜならば、人間は有限の人生を生きており、死に向かって歩む宿命を背負っているからです。その有限の人生を、会社のために犠牲にすることなどあってはならないと思います。

つまり、倒産することも立派な選択肢であると考えています。

「人間としての人格」と「法人の代表者としての人格」

企業は、社会に認められている法人という人格をもっており、同時に社会的責任を負っています。

つまり、

「借りたら返す」
「税金は払う」
「買ったら代金を支払う」
「道徳、商法、労働基準法などを守る」

上記のことは当たり前のことです。これらを無視して経営は成り立ちません。

そして最大の社会的責任は、会社を存続させる責任です。

しかし、どんなに努力しても回復しない場合もあります。人間に例えれば、末期ガンであったり植物人間になったりした場合です。これは会社として幕を下ろす、名誉を持った撤退を考えるべきです。

要は苦しみぬいて死を迎えるより、「たかが金の事」と割り切り、気楽に考えるべきものと思います。つまり、社長は「人間としての人格」と、「法人の代表者としての人格」の2つを持っており、どちらを大切にするかという究極の選択を迫られた時、当然ながら人間として生きる道を選んでほしいものと思います。

間違っても、自分の人生を道連れにすることなどあってはなりません。

再建は、反省と強烈な意欲を持ち続けることが不可欠ですが、そのことが自分を追い詰め、ストレスとなり病気となるようであれば、潔くすべてを無くしてしまった方がよい、ということです。

それでは、会社を倒産させることによって何を求めるのか? それは、人間本来の幸福を求める生き方なのではないでしょうか?

2.「倒して産む倒産」=ハッピーリセット

ハッピーリセット イメージ

倒産は“倒して産む”と読めます。そして、「到」という文字は「行き着く」という意味であり、“倒す”とは「人に行き着く」ということになります。

つまり、「倒産とは、会社の経営者から人間としての生活を産むこと」と定義できると思います。

それでは、人間らしい生活とは、
どんな生活でしょうか?

ズバリ幸福を求める生き方であると思います。

人間としての幸福は、幸福の花を咲かせることです。

幸福の花とは、夫婦仲良く、親子仲良く、健康に恵まれ、生活に恵まれて、希望を持った人生を送ることではないでしょうか?

経営者は、仕事に集中するために人間らしい生活が犠牲になっていることを冷静に反省しましょう。

私はこの倒産をハッピーリセットと呼んでいます。決して暗いものではなく、新しい人生への再出発と考えましょう。

3.人生再出発の条件

人生の再出発 イメージ

  1. 将来の再出発に向け、考え方を変えられること
  2. 全財産を全て投げ出し、裸一貫になれること
  3. 自分自身を反省し、自己改革できること

倒産とは、このように将来に向けての一つのステップと考えるべきものです。

間違っても、債権者から逃げ回ったり、一家バラバラになり、人生を閉じてしまうような 倒産は選ばないで欲しいと思います。

この3つの条件を、次頁から一つずつ考えてみましょう。

1.将来の再出発に向け考え方を変えられること

倒産を控えて再出発など考える余裕はありません。強力な援助者がいない限り、同じ考えでの再出発はあり得ません。しかし考え方を考えれば、再出発は可能です。

今まで会社という形をいかに存続させるか? ということに苦しんできたものと思います。考え方を変えるということは、形の世界から目に見えない心の世界へ出発するということであれば、お金に関係なく誰でも再出発できることになります。

~Column 人生の再出発~

高校生の頃から常に一番を目指し、事実その場その場に於いて達成してきた。

しかし、頭のどこかで「形の一番を求めてもキリがなく、終わりが無い」「人生をどこで完成させるのか?」など疑問を持ち始めてもいた。「人生は有限であるのに、無限の可能性を求める矛盾」を感じ始めていた。

「人生の成功とは、完成した事を成功というのではなく、目標に向かって一つ一つ歩む、そのこと自体が成功である」と自分自身を納得させようとしていたが、どこか違うと思い始めていた。

そして幸か不幸か、52歳で倒産である。倒産は諦めのつかないことだが、今になって考えると、形を求める考え方に終止符を打つキッカケとなったものと感謝している。

この倒産をキッカケに、人生に対する考え方が180度変わった。つまり、形を求める生き方から、心の充実を求める生き方に変わったのである。

その頃、ハッとさせられた歌があった。

「楽しみは 朝起きいでて 昨日まで なかりし花の 咲ける見る時」である。

今までこんな余裕のある気持ちを持ったことはなかったので、強烈な印象を受けた。

2.全財産を全て投げ出し、裸一貫になれること

会社を倒産させる時、財産を隠す人がいます。財産を隠すことを進める風潮もあります。例えば、土地を他人名義にして、競売を逃れたり、現金を隠していたりすることなどです。

この方法は感心しません。何人もの人を見てきましたが、このような不誠実な行動を取った人程、再建は困難です。

周りの関係者の温かな応援を得られないからです。

私の体験を参考にして下さい。

3.自分自身を反省し、自己改革できること

私が再建の仕事を受ける時感じることは、反省心のない人は前に進めないということです。

よく「済んだことだから」と言う人がいますが、これ程無責任な言い方は無いばかりか、自分の将来をも閉ざしてしまうことになります。

過去をいつまでも引きずることは良くありませんが、過去に対する充分な反省無くして先へ進むことはできません。更に再出発するには、反省するだけでなく、考え方も変えてしまうこと、つまり自己改革を求められます。

私は貧乏生活を楽しむこととし、金持ちになることを決意しました。その結果、全てが順調になり、またたく間に平穏な生活を取り戻すことができました。

倒産の仕方

倒産の仕方 イメージ

実際に倒産の局面に立つと、自分自身では何も出来なくなる方がほとんどと思います。しかし、冷静に考えれば特に難しいことではなく、倒産の仕方に特別な方法はありません。仕方には方法がありませんが、相手を理解させる心を持つことが絶対条件です。それは「至誠」です。

「至誠」の心で接すること

倒産に際し、最も悩むのは関係者に迷惑をかけることです。責任感の強い経営者であればあるほど悩むものです。

しかし、唯一理解して頂く方法があります。
それは「至誠」の一言です。

至誠は、吉田松陰で知られる孟子の「至誠にして動かざる者は未だ之れあらざるなり。誠ならずして未だ能く動かす者はあらざるなり」が浮かんできますが、至誠をもって本気で物事に取り組むことが、何より大切です。

支払いや返済できないお金に対し、誠意で返してゆくしか方法はありません。例え、いかに少額であっても誠意を尽くして当たれば、相手は理解をしてくれるものです。

~Column 借金は誠意で溶けてなくなる~

倒産時、借入金残高は15億円を超えていたが不動産も同額位あった。しかし処分すると極端に減額となり、とても返すことは出来ない。そこで、貸したお金は一切放棄し、借入金は返済の可能性は低くても誠意を以って対応していこうと決意した。

すると、2〜3年でいつの間にか借金は消えていた。本来なら自己破産を選択する状態だが、相手が消してくれたのである。そして気がつくと、平穏な生活を送るようになっていた。

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