
日本語の中で、最も日本という国の精神性を表している言葉は、「和」の一文字ではないでしょうか。
聖徳太子が定めた十七条憲法の第一条「和を以て貴しと為す」は、日本の国家理念として、幾度となく国の危機を支えてきた言葉だと言われています。
この「和」という考え方は、経営の世界においても常に求められるものです。しかし同時に、「和」ほど実践することが難しいものはないようにも感じます。
「仲良くしよう」と言葉では唱えながら、実際には争いが絶えない――それが人間社会の現実です。
その延長線上に、国家同士の戦争さえ生まれてきました。
私たちが身を置く経営の世界においても、和のある組織を築くことは決して簡単ではありません。
そこで、「和」という字の成り立ちから、その本質を探ってみたいと思います。
「和」という文字の成り立ち
- 「和」は、「禾(のぎへん)」と「口」から成り立っている
- のぎへんは、稲穂が実る様子を表している
- 口は小さく書かれ、小さいほど美しい文字になると言われている
ここから、「口を小さくすることで、実りが得られる」と解釈することができます。つまり、和とは、自己主張を抑え、余計な言葉を慎むことで生まれるものだと考えられるのです。
会社の中でも、「和を大切にしよう」と言いながら、言葉のぶつかり合いによって争いが生まれてはいないでしょうか。
人のことを論じる前に、
まずは自分自身が与えられた仕事を黙々と、誠実に果たすこと。
その積み重ねの先にこそ、結果としての「和」が生まれるのではないか――私はそのように考えています。


















