相談内容
Gさんの紹介で、京都の呉服店売り子さんグループから相談があった。
それぞれ 和服購入代金をローンで借り、返済が出来ずに困っているとのことだった。
指示された日に行くと、
6人が待っていた。
なぜ、借りたのかを聞くと、全て和服代とのことである。
営業として呉服店に勤めたところ、和服の陳列販売会場に友達を連れていくのが仕事であった。しかもその時、和服を着ていないと売れないので、それぞれ買わされたとのことである。
ローン残高が一人平均100万円
すでにローン会社を紹介してくれてあり、そのまま和服を買い、ローンが残ってしまったということである。
そのローン返済は、呉服の営業マンから充分返済出来ると説得され、買ったものであった。
しかし そう簡単には売れない。
結果として、その呉服店を辞めてもローン返済が残ってしまった、ということである。
一人平均100万円もの残高であった。
解決方針
一言で言うと、呉服店はお客様に売るのではなく、売り子さんとして集めた販売員にローンを組ませて売ることが目的の商法のようである。
しかし、今更何を言っても仕方がない。そして、ほとんどが主婦であり、夫や家族には内緒だった。
そこで、根本的な解決には至らないが、「借金を誠意で溶かす」方針とした。
借入先への手紙と少額の支払い
それぞれ、2~5千円なら毎月返せるという。
そこで、それぞれ借入先に対する手紙を作成してあげた。その手紙と、わずかなお金を払い続けることにより、誠意を認めてもらい溶かしていくこととしたのであった。
全員がお金を持っていないため、私が近くの弁当屋へ行き、全員のカレーライスを買って来てあげ、食べて頂いた。
さらに私への日当はごく少額にし、お金が出来た時に振り込んでもらうことを約束して帰ってきた。
その後
6人全員から連絡が無いので、上手くいったと思っていた。
しかし、誰一人として私への日当を払う人はいなかった。
さらに2年後
その6人の内の一人から別件で相談があり、京都へ出掛けた。
その時、このことが話題になり、誰も払ってくれなかった、と言ったら、なんと、「私達全員言われた金額を払いました」と言うのである。
誰に払ったのか?と聞いたら、紹介してくれたGさんが「振込料が掛かるから、私がまとめて払ってあげる」と言ってくれたので払ったと言うのであった。
京都まで行って 6人も相手に一日で仕上げ、カレーライスまでご馳走したことがこの結果であった。
しかし、こういうことはたまにあることである。