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巧妙に仕組まれた典型的な投資詐欺事件|事件相談事例

投資詐欺事件

相談内容

投資詐欺に合った被害者グループからの相談である。

ITを活用した投資詐欺である。

1口20万円で毎年2~3割の利益を受け取ることができる

との触れ込みである。

これに乗ってしまい、騙されたと気付いた人達からの相談であった。

詐欺の仕組み

嘘

非常に手の混んだ仕組みであった。

①投資詐欺の怖さを専門誌に掲載

先ず、経営コンサルタントのJ先生が、投資詐欺の恐ろしさを説き、それを専門誌に掲載する。

それは「詐欺被害に遭わないようにするために!」を訴える内容である。

詐欺師が多いから気を付けなければいけない、と説得しているのである。

②Aクラブ(投資者の集まり)をSさん達が結成

Sさんは、投資の安全性や確実性を説き、説明会を聞いていく。その説明会にはJ先生が講演をする。投資詐欺に合わないように、と警告を繰り返すのである。

こうして何度か繰り返し、入会者が100名程に達した時、ホテルを使い大々的に結成式を行った。

この時、大口投資者は理事としてステージに立ち、一人一人紹介され、すっかり事業家としてまつりあげられてしまった。

③海外へ投資会社を設立

ITであるため、国内に置く必要はないとして税金が安いことを理由に海外へ会社を設置。

事務所を借り、コンピューターやサーバーなどを置き、それなりの事務所を整えた。

こうしてさも進行しているように見せかけ信用させた。

④理事の海外招待豪遊

理事になった人達を、会社を設置した国へ招待。

事務所を見学しながら、
豪遊させてもらっていた。

⑤資金調達方法の指導

このパターンを繰り返し、約5か月後には、投資者数200名、総投資金額は8億円に達していた。

素晴らしい営業力である。

Aクラブには常時、大口投資家が常駐、毎日のように説明会を繰り返すのであった。

この中には

  • 娘の結婚式費用
  • 夫の墓石費用
  • 退職金
  • 住まいを担保に入れての借入金
  • サラ金からの借入

などなど、様々な方法で調達している。

Aクラブでは、その調達方法まで指導していた。

こうして進行していったが、いつまで待っても事業が開始されないので不安になり、調査すると、そのJ先生は暴力団関係者と分かり、行方不明である事が判明した。

この事態になり、私に相談に来たのであった。

解決方法

警察

とにかく、被害者が増え続けており、すぐ事件化しなければならない。

そこで、即被害届けを作成、最寄りの警察署へ届け出た。

しばらく待たされての返答が、「ここでは分からない」と言われ本庁を紹介された。

即日、主な被害者5名と本庁へ相談に行った。

ここでも1時間程待たされた挙げ句の返答は驚く内容だった。

投資したのであって騙されたのではない、まがりなりにも、海外に事務所を作り、サーバーなどをおき、営業をやろうとしている以上、事業をやっているとみなされ、騙したことにはならない

というのであった。

当初から、完全に騙す計画であっても、表面上では事業をやっている形があれば、詐欺にはならないというのであった。

この返答に愕然としたが、とにかく騙された人達にはお金が返って来る可能性は少ない。

週刊誌への寄稿

あまりにも悪質巧妙であるので、大手の週刊誌へ依頼すると、2頁見開きで大きく取り敢げてくれた。

会員への報告

約200名のAクラブ会員へ詐欺であることを通知し、一日も早く退会し、それぞれの解決策を考えるよう連絡を取り始めた。

邪魔者扱いにされる

すると、詐欺師グループは、私達のグループが、さも邪魔をしていると決めつけ、さらに新しいグループを作り、裏切り者にさせられてしまった。

こうなると引き退がるしかなくなった。

結果

こうして、散々、振り回され騙され続けた人達は、全て被害者となった。

一円も返って来ることはなかったのである。

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