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2社の乱脈経営を閉鎖し新会社設立で一本化|転生による再建事例

乱脈経営

相談内容

夫婦がそれぞれ会社を作り、同じ建物の階を分けて経営しているが経営続行が出来なくなった。

「助けて欲しい」との相談があった。

現状診断

夫は建設関係の土木施工会社、妻はエステティックサロンを経営している。

両社ともそれなりに経営基盤を持っており、普通に経営していれば特に問題はないように見えた。

しかし、2つの会社の経理を夫である土木会社の社長が担当していた。どんな形であるにせよ、2つ以上の会社の経理を同じ人物が担当することは絶対にしてはいけないことである。

いかにプロの経理マンでもしてはいけないことなのである。どうしても両社が混同してしまい、必ず行き詰まるものである。

加えてこの社長は経理に疎く、
昔ながらの経験しかなかった。

公的支払いの滞納

その結果、全てにおいて財務は破綻していた
特に公的な支払いが滞納していた。

  • 法人税、市県民税の滞納
  • 社会保険の長期滞納
  • リース料の未払い
  • 地代家賃の未払い
  • 借入金の返済、未納

など、全てに於いて支払いが滞っていた。

わずかに仕入業者や経費関係のみ請求書が来る毎に支払っており、何とかやり繰りしており、破綻は目の前に迫っていた。

再建方針

新会社設立

旧会社の倒産と新会社への転生

この状態では、経営続行は不可能であった。

滞納税金、社会保険の未払いも売上の数ヵ月分にもなり、破産も出来ない状況だった。ただし、社員は優秀であり、何とか経営を続けてあげたい状況であった。

社長夫人も真面目な方で、
可哀想である。

つまり、主人であり、経理をみている夫のみが悪いということである。

差し押さえは時間の問題

このままでは、売掛金や地代家賃の保証金に差し押えが入ることは決定的だった。

そこで、「両社を倒産させ、新会社に移行。新会社にて、未払金を長期分割払いをしながら、支払責任を果たしてゆく」方針とした。

再建方法

解決方法

①旧会社の閉鎖

会社の閉鎖通知を全関係者へ提出。

残債務は長期分割猶予をいただいた。書面できっちり、誠意を以って伝えたので、特に問題は起こらず、閉鎖の方向に向かうことができた。

②新会社の設立

経営計画書を作成。

取引業者からの理解を頂き、起業することができ、社員の総決起大会を聞き一つの心にすることが出来た。

これで、迷惑を掛けている税務署、社会保険事務所などに対し、誠意を以って対応してゆけば問題が起こることはなくなり、私の再建の仕事は終了した。

再建・その後

数ヵ月して社長から私に電話があった。

未納社会保険金回収のため、売掛金を押さえられた、というのである。押さえられたのは、毎月必ず入金があるお客様からの売掛金であった。

しかし、売掛金はまだ計上されていないのである。「そんなバカなことはない」と思いながらよく聞くと、なんと、これから発生する売掛金をその取引先にまとめて払わせたとのことであった。

約1年分をその会社に代わって払うよう税務署が要請、その取引先は応じてしまったとのことであった。

社会保険料の滞納はとても厳しく取り立てられる。

しかし、約束した長期分割を守って誠意を見せていれば、これほど強硬に出られることはなかった。

約束を破った以上、これは弁解の仕様のない結果となった。

誠意の見えない姿勢は相手の心を鬼にする

夜間のガソリンスタンド

社長は仕方なく、その差し押えられてしまった金額を作るため、ガソリンスタンドで夜間のアルバイトをすることとなった。

誠意が無いため、相手を鬼の心にさせてしまった結果である。

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