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会社閉鎖により全く新しい考え方で幸福な人生を蘇らせた|倒産による人生再生事例

会社閉鎖により全く新しい考え方で幸福な人生へ

経緯

これは私自身の再建事例である。

私は大企業を退職後、25歳で独立起業、
順調に推移。

52才までの26年間、連続黒字経営を続けてきたが思わぬ形で全てを無くすことになっ

しかし、倒産を良いチャンスと考え、全く新しい人生を歩むことにした。

その経緯である。

① 倒産のきっかけ

40歳代後半の頃、リフォーム会社、建設会社、不動産会社の3社を経営。

総合建設業の形が出来上がりつつあり、夢を膨らませていた頃、ある銀行から、倒産会社の土地の肩代わりが持ち込まれた。

不良債権を肩代わりし、分譲マンション計画を立てた。

総額にして12億円の借り入れによる大型事業だった。

1億5千万円の価値しかない土地、建物を倒産企業への貸付額の3億円で購入、建築費8億円をかけての15階建てマンション分譲事業計画だった。

これはトップ直轄で、担当者は融資担当役員だった。

ところが、計画通り土地を購入。

様々な許可や手続きを経て、いざ建築を始める時になりその頭取が急に辞め、融資担当常務が交替、融資がストップ。

一気に暗礁に乗り上げてしまった。

土地購入費、地盤工事などですでに6億円を使ってしまい、後は建築のみとなった時である

云わば、2階へ上げられ、いきなりハシゴを外された格好となってしまった。

倒産

倒産

これが平成10年のことであり、先の見えない苦悩が始まった。

それでもその土地を建築条件付で売却、なんとか窮地を脱することが出来るかに思われた。

しかし相手が建築途中で倒産、
又も約2億円の損失を被ってしまった。

さらに焦って手形を発行、これが手形詐欺に合い借金は膨れ上がっていった。

この時、建設会社を倒産させ、リフォーム会社を生かせば何とか乗り切れたかもしれない。

少なくとも、今の自分であればそれほど難しい仕事ではない。

しかしその頃、相談する相手もなく、あったとしても詐欺師まがいの人物ばかりであった。

それから2年近い悪戦苦闘の末、いよいよ平成12年5月、2度目の不渡りを出し倒産した

この不渡りも手形詐欺により、だまし取られた自社手形を振り込まれたものだった。

それまでも、だまし取られて回ってきた手形を、何度も供託してなんとか回避してきたが、その余裕もなくなっていたのだった。

意義ある悪戦苦闘の2年間

この倒産に至る過程は、私の人生の中でも特に貴重な体験を積むことが出来た2年間だった

それまで順調に歩んできた会社が一挙に暗転、最も悪い形で全てを失っていくのである。

それまでの表向きの経営は勉強で学べたにしても、土壇場の経営、修羅場の経営は実際の体験を積むより修得することは出来ないことを、全て終わって振り返ることが出来た。

この2年間の体験は、今日の再建コンサルタントとしての心構えを学んだ結果となった。

会社が倒産する時、ほとんどの経営者は正常な判断能力を失っている。

手形不渡り、ヤミ金融などの恐怖に脅え、あらゆる所からの追及に耐え、そのストレスは相当なものであり、無理からぬことである。

その気持ちは、同じ体験をくぐり抜けて来た者でないと理解出来ないと思う。

その意味で、この2年間は意義のある期間だった。

溶けて消えた借金

肝心なことはこれからである。これで終わったら単純に倒産しただけで、恐らく将来の夢は絶たれたことだろうと思う。

倒産時、借入金は15億円を軽く超えていた。

不動産も同額位所有していたが、処分すると極端に減額となり、とても返済することはできなかった。

そこで、借入金は返済の可能性は低くても、誠意を以って対応していこうと決意した。

仕入先を始めとした各銀行、税務署など誠意を以って対応し、少額ながら返済を開始した。

ほとんどの方が自己破産を進めてくれたが、頑として必ず返してゆくと言い張っていた。

すると、2~3年でいつの間にか借金は消えていた

来なら自己破産を選択する状態だが、相手が消してくれたのである。

そしていつの間にか平穏な生活を送るようになっていた。

借金が消えていく過程は知識ではなく、世の中には目に見えない解決方法があることを教えてくれた。

つまり、知識とは別に存在する道理、摂理、真理と言われるものである。

貧乏生活を楽しむ、同時に金持ちになることを決意する

不動産はもちろんのこと、友人に貸してあったお金も一切放棄し、貧乏生活を楽しむことを決意した。

つまり、形を求めてきた人生から、心の平穏を求める生活に切り替えたのである。

形は貧乏生活になったが、心では金持ちになれた。

金持ちとは、収入の範囲内で生活且つその生活に満足できる人

と定義したからである。

当時、子供が4人、それぞれ学校に通っていたが全て奨学金に切り替え、不足分はアルバイトをした。

妻はスーパーのパートで働き、私は月収15,000円程度のチラシ配りをやりながら、今まで出来なかったことをやろうとした。

読書三昧の日々

今まで出来なかったこととは、忙しくてできなかった本を読むことだった。

ブックオフでは1冊百円で売っており、毎月5千円の小遣いのほとんどを本代にした。つまり、100円×50冊も買えた。

こうして、今まで読めなかったものを片っ端から読んでいった。

歴史小説、経営学書やノウハウ本、法律、思想、道徳、宗教、古典など、とにかく百円で買える本を乱読。

いつの間にか4千冊を数え、置くところに困るほどになった。

特に真理に関する本を精続しながら、再建に関する本はほとんど読破、知識面で吸収することが出来た。

再建コンサルタントへの道

しばらくすると、経営難で苦しむ方々から相談が寄せられるようになり、一緒に考え、再建をする日々が始まった。

すると紹介が紹介を生み、平成14年からの今日までの18年間毎週1,000kmも移動する忙しい日々を送っている。

現在そして将来

再建コンサルタント・古川益一

この倒産体験は、本当に貴重なものだった。

そして現在、270坪の敷地に3棟に分散。

11人家族で暮らし、第二の人生を楽しんでいる。

この体験により、

「倒産とは全てを無くしてしまうのではなく、見える形を亡くし、見えないものを産むためのものである」

ことを悟ることが出来た。

そして、再建コンサルタントとして経営者を助ける為には、とても貴重な体験だった。

破産などの法律に頼ることなく、人間としての善意を引き出し、味方につけ幸福な人生へ生まれ変わることを多くの人に伝えてあげることを願う日々である。

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